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■ 農業の衰退に歯止めを! 2006/03/25

 和歌山市に戻り、政治活動を始めて、案外和歌山市も広いものだなと感ずるとともに、郊外の農地の多さにも驚きました。そんなことで、農業に関心を持って勉強を始めました。日本全体では、1960年から比べると、GDPに占める農業の割合は9%から1%に減っています。また、65歳以上の高齢な農業者の割合は1割から6割にまで上昇しています。ちなみに、農業国のフランスでは54歳未満の農業者の割合が6割です。
 そして、米の一人当たり消費量は過去40年で半減しました。さらに、昨年から総人口が減り始めましたので、人口の高齢化も加味すると2050年には米の総消費量が現在の900万トンから350万トンになるという推計もあります。そうなると現在の水田面積270万haの内200万haの転作が必要になります。今の転作面積が100万haですから、これを倍増させなければなりません。農林水産省はこのような重要な情報を国民に発信することを怠っています。
 一方で、米は490%の高い関税で保護されています。そして、米価を上げ続けた結果、米は過剰となり、30年以上も生産調整(100万haの転作)を行い、農業の資源は価格の高い米から他の作物に向かうことなく、食料自給率は1960年の79%から現在の40%へと急降下したのです。ちなみに、フランスの食料自給率はこの間、99%から132%に上昇しました。農業基本法は本来、農業の規模拡大によりコストを下げることで農家の所得を上げることを目標にしていました。政府・自民党はこれとは全く逆の政策を取って、米の価格を高くすることによって、消費者の負担で農家の所得を保障したのです。品種改良による単位収入の増加を図るという先進国では当たり前の政策が日本ではタブーになってしまいました。その結果、零細兼業農家ばかりが増えて、企業的農家は育たず、国際競争力が低下しました。
 農業を保護することは悪いことではありません。アメリカもEUも保護をしています。日本のように高い関税で保護し、価格維持を図る政策が間違いだったのです。高い関税率を維持する結果、今、世界的な潮流になっている自由貿易協定や経済連携 協定に参加できないという弊害もあります。ヨーロッパで行われているように、一定規模以上の農家に対して、農地の面積に応じて、所得保障のための現金を直接支払う制度を導入すべきです。そうすれば、企業的な農家は地代を支払うことが可能になり、零細な兼業農家は農地を貸し出すようになります。 その結果、農業の規模が拡大し、コストダウンや効率化が可能になり、農産物の価格が下がります。高い関税による農業保護で消費者が余分に負担している金額が5兆円と言われています。消費税2%分の負担が無くなるのです。
  一方で、稲作兼業農家の所得は年間801万円ですが、その内農業所得はわずか10万円しかありません。関税による価格支持をやめて、農家に対する所得保障を「直接支払い」制度で行えば、消費者も農家もウィンウィンの状況になるのです。その場合、関税ゼロにしても直接支払いの予算は1兆7千億円ですみます。現在の農業予算全体が3兆円ですから、その範囲内でやりくりすれば何の問題もなく実施可能です。今、政府・自民党の「ノー政」ではない「ほんまもんの農政」が求められています。

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