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■ チャレンジドを納税者に 2006/02/25 

 私が政治の道を志した理由の第1番目が、「人が自分の意志や能力でいかんともしがたいこと、たとえば性別や障害のあるなしなどで機会を与えらないことや差別されることのない社会をつくりたい。」ということでした。これは、プロップステーションという社会福祉法人の代表をしている竹中ナミさんとの出会いから生まれたものです。竹中さんは、チャレンジドを納税者にする運動を始め、霞ヶ関や永田町にすごい衝撃を与えた人です。チャレンジドという言葉はアメリカから来ましたが、障害を持っている人は神様から挑戦(チャレンジ)をする機会を与えてもらったんだという前向きの表現です。一昔前は、障害を持った人をハンディキャップドと呼んでいましたが、帽子を(キャップ)を手(ハンド)に持って物乞いするという意味のあるこの言葉は、今は使われていません。
 障害を持っていても、働く意欲のある人には、働く場を提供して、納税者になって誇りを持って生きてもらうべきで、そのために、年金を差し上げるより予算がかかってもかまわないという発想はケネディー大統領のものでした。現在でも、国防総省の予算の中に、そのためのプログラムがあり、巨額の予算が充てられています。目の不自由な方のためのパソコンをはじめ、チャレンジドの方が働くための補助用具が無料で支給されます。このようにして、アメリカではたくさんのチャレンジドが生き生きと一般の職場で働いています。
 一方で、日本では障害者雇用納付金制度の下で、チャレンジドの雇用率未達成の事業主から納付金を取るような政策のため、チャレンジドを雇わなくてもお金で解決すれば済むので、必ずしも効果を挙げていません。また、作業所等では単純な作業が多く、およそ生活が可能になるような賃金は払えていないのが実情です。トヨタの関連企業である小島プレスのように厳しい品質を要求するトヨタに部品を納める特例子会社(事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社)を持ち、チャレンジドの従業員に相対的に高い賃金を支払っている企業もありますが、まだまだ少数派です。
 制度の改正も重要ですが、チャレンジドの働く場を作っていくんだという思いを社会全体で共有することが何より大切です。たとえば、陶器を作って、販路を開拓し、一人当たり、月に5,6万円の報酬が支払えるような作業所が作れないか、と挑戦中の友人がいます。私も、政治活動とは全く関係なく、この友人の仕事を手助けしたいと思っています。一人一人の市民が動き出せば、チャレンジドの働く環境もきっと変わっていくはずです。
(参考)プロップステーションURL: http://www.prop.or.jp

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