新サイトへと移転いたしました。

衆議院議員 岸本周平のサイトは、新サイトへと移転しました。お手数ですが、ブックマークの変更をお願いします。このページは20秒後に新サイトへと自動的に転送されます。

※転送されない場合は http://shuheikishimoto.jp をクリックしてお進みください。







 
バックナンバーを見る

■ 少子化対策2 2006/02/15

 M字カーブと言う言葉があります。縦軸に女性の就業率、横軸に女性の年齢をとると、ちょうど結婚、子育ての時期、職場を離れる女性が多いので、30歳代の就業率がへ込みますので、ローマ字のMの形になるのです。前回の「政策の窓」に書いたように、このようなM字カーブになるのは、先進国では韓国と日本だけです。私が子育て支援の必要性を強く主張しているゆえんです。
 一方で、晩婚化やまったく結婚しない若者対策の重要性も指摘されています。エッセイストの酒井順子さんが2003年に出版した「負け犬の遠吠え」はベストセラーになりました。酒井さんによると「負け犬」とは未婚、子ナシ、30代以上の女性のことだそうです。酒井さんは厚生労働省の「少子化社会を考える懇談会」のメンバーでもあるのですが、とても参考になる意見をおっしゃいます。彼女はその著書の中で、この懇談会の提案が、男性を含めた働き方の見直し、地域における子育て支援、社会保障における次世代支援などが中心で、そもそも政府の政策には「結婚しない若者対策」という観点が欠けていると指摘しています。また、「晩婚化や少子化は、女のせいで起こっている問題である」という意識が世の中にあるんだとも書かれています。酒井さんが示唆するように、若者が結婚しなくなった原因として、たとえば、おたく君のようなオスの負け犬にも責任の一部があるのではとの見方もできます。学歴が高く、自立している女性が結婚しない自由を持てるというのも日本が先進国になったからでもあるのです。
 酒井さんは、少しシャレが入ってのことでしょうが、シンガポールのように政府が主催するお見合いパーティーも「無駄のような気もするが、やらないよりはいいだろう」と書かれています。結婚するも子供を産むも、それは個人にとってもっともプライベートなことですから、政府が介入することについて、私は反対です。前回述べたように、結婚や子育てに関して、政府は国民が幅広い選択枝を持てるような制度やサービスを提供するのにとどめるべきだと思っています。しかし、酒井さんが問題提起をしてくれた「結婚しない若者対策」という視点は、確かにこれまでの少子化の議論にはなかった目新しいものです。
 「人口が減るからたいへんだ!」というような目線ではなく、ひとりひとりの人間として、どのような生き方が幸福なのか、本人の意志が尊重され、多くの選択枝が持てるような社会にするにはどうすればよいのかという視点で、少子化の議論をしていくべきだと考えます。

Copyright(C) 2005 Shuhei Kishimoto,All rights reserved
 

岸本周平 Official Website