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■ 少子化対策1 2006/02/05 

 日本の人口は2004年の1億2764万人をピークに昨年、2005年から減り始めました。

 日本の近代史上で初めて、人口が減るようになったのです。政府の人口推計(低位)では、2050年には9203万人になるとされています。これまで、政府の人口の見込みは常に甘くて、一番悲観的な低位推計でも、実際はその数字を下回ってきたことを考えると、9000万人を切る事態もありえます。


 明治維新のころは、約3500万人の人口であったわけで、人口が減っても、経済がしっかりしていたら、満員電車の通勤もなく、広い家に住んで、むしろ豊かな生活が楽しめるから良いではないかとの意見もあります。しかしながら、戦後の高度経済成長の中身を分析すると、技術力の向上などによる押し上げ要因もありましたが、人口が増えて、労働者が増えたことによる押し上げ効果もかなりありました。これを人口ボーナスという人もいます。これからは、人口ボーナスがマイナスになるのですから、よっぽど技術力が上向いて生産性が高まらないと現状維持も難しくなります。


 女性が一生の間に生むお子さんの数の平均を「合計特殊出生率」と言います。この率が2.07あってはじめて人口が横ばいで維持されるそうです。日本では1974年以来、2.07を切って、毎年下がり続けてきました。昨年の2005年は1.27か1.26だろうと言われています。先進国ではこのような傾向が見られるのが普通で、お隣の韓国では、この数字が1.16にまでなっています。一方で、フランスやスウェーデンでは一度下がった出生率が回復をしました。児童手当を増やしたことが良かったのか、結婚していない夫婦の子供の取り扱いを平等にしたり、夫の育児休暇を義務付けたことが良かったのか今でも結論は出ていません。ドイツや日本でも、近年児童手当を増やしてきましたが少子化に歯止めはかかっていません。


 結婚や出産のために会社を辞める女性が多いのは、先進国では日本や韓国だけです。働くお母さんが安心して子育てのできる保育の環境を整えるのがたいせつなのではないでしょうか。そのためには、お父さんが積極的に子育てに参加する、それを会社も後押しすることや、保育サービスの充実がなにより必要です。日本全国では2万5千人も待機児童がいます。それなのに、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省というお役人さんの縄張り争いの結果、一元的な運用すら行われていません。政府が「産めよ増やせよ」という時代ではありませんが、少なくとも、働きながら子育てをしたいという夫婦に選択の機会を与えられるような制度を準備することは政府の重要な仕事です。


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